Palworld(パルワールド)は、2024年のリリース以降、世界中で爆発的な人気を誇るオープンワールドサバイバルゲームです。フレンドと一緒にプレイするには公式サーバーを利用する方法もありますが、「自分たちだけのサーバーが欲しい」「MODを入れたい」「人数やルールを自由に設定したい」と考えるプレイヤーは少なくありません。
そこで選択肢になるのが、VPS(仮想専用サーバー)を使って専用サーバーを自分で立てる方法です。VPSなら24時間稼働が可能で、自分のPCを起動しっぱなしにする必要もありません。
本記事では、Palworldの専用サーバーをVPSで構築する手順を初心者にもわかりやすく解説するとともに、サーバー用途に適したおすすめVPSの比較、運用時の注意点やよくある質問までまとめました。「サーバーを立てたいけど、何から始めればいいかわからない」という方の判断材料になれば幸いです。
Palworldの専用サーバーを立てる方法は3つある
Palworldでマルチプレイ環境を用意する方法は、大きく分けて以下の3つがあります。
1. ホストプレイ(協力プレイ)
ホストのPCでワールドを立ち上げ、最大4人まで一緒にプレイできる方法です。最も手軽ですが、ホストがゲームを終了するとほかのプレイヤーも遊べなくなります。少人数で気軽に遊びたい場合には十分ですが、常時稼働には向きません。
2. 自宅PCで専用サーバーを立てる
自分のPCにPalworld Dedicated Serverをインストールして運用する方法です。費用はかかりませんが、PCの電気代、ポート開放によるセキュリティリスク、PCを常時起動しておく負担などのデメリットがあります。
3. VPSで専用サーバーを立てる(本記事の主題)
クラウド上のVPSにPalworld専用サーバーを構築する方法です。月額料金はかかりますが、24時間安定稼働・自宅PCへの負担ゼロ・セキュリティリスクの低減といった利点があります。中〜大規模のマルチプレイを快適に楽しみたいなら、最も現実的な選択肢です。
以下に3つの方法を比較表でまとめます。
| 比較項目 | ホストプレイ | 自宅PCサーバー | VPSサーバー |
|---|---|---|---|
| 最大人数 | 4人 | 最大32人 | 最大32人 |
| 24時間稼働 | ×(ホスト依存) | △(PC常時起動が必要) | ◎ |
| 初期費用 | 無料 | 無料 | 無料〜(VPSによる) |
| 月額費用 | 無料 | 電気代のみ | 約1,000〜3,000円程度 |
| セキュリティ | ○ | △(ポート開放が必要) | ○ |
| 設定の自由度 | 低い | 高い | 高い |
| 構築難易度 | 簡単 | やや難しい | やや難しい |
Palworldサーバーに必要なVPSのスペック
Palworldの専用サーバーはそれなりのマシンリソースを必要とします。快適にプレイするためのスペック目安を把握しておきましょう。
公式の推奨スペック
Palworld公式(Pocketpair)が公開している専用サーバーの推奨スペックは以下のとおりです。
- CPU:4コア以上
- メモリ:16GB以上(最低8GB、ただし8GBではプレイヤー数が増えるとメモリ不足になりやすい)
- ストレージ:SSD推奨、空き容量40GB以上
- ネットワーク:安定した回線
※上記は公式テクニカルガイドをもとにした情報ですが、アップデートにより変更される可能性があります。最新情報は公式サイトで確認してください。
プレイヤー数別のスペック目安
| 同時接続人数 | メモリ目安 | CPU目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1〜4人 | 8GB | 4コア | 少人数なら動作するが余裕は少ない |
| 5〜16人 | 16GB | 4〜6コア | 安定運用の推奨ライン |
| 17〜32人 | 32GB | 6〜8コア | 大人数では高スペックが求められる |
注意点として、Palworldはゲームの進行に伴いメモリ使用量が増加する傾向があります。拠点の建築やパルの増加でワールドデータが大きくなると、初期は余裕があっても後半でメモリ不足になるケースが報告されています。筆者の見解では、長期的に遊ぶ予定があるなら最初から16GBプランを選んでおくのが無難です。
Palworldサーバーにおすすめのゲーム向けVPS比較
ここでは、Palworldの専用サーバー構築に適したVPSサービスを比較します。ゲーム用途に特化したプランや、アプリイメージで簡単に構築できるサービスを中心にピックアップしました。
※料金は2026年3月時点の情報です。最新の正確な料金は各公式サイトでご確認ください。キャンペーン等により変動する場合があります。
| VPSサービス | プラン例(メモリ16GB) | 月額料金(税込目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Xserver for Game | 16GBプラン | 約4,000〜6,000円前後(確認が必要) | Palworldアプリイメージあり。管理画面から数クリックで構築可能。国内大手で情報量が多い |
| ConoHa for GAME | 16GBプラン | 約3,000〜6,000円前後(確認が必要) | Palworldテンプレートあり。時間課金対応で短期利用にも向く。初心者向けUIが充実 |
| さくらのVPS | 16GBプラン | 約7,000〜10,000円前後(確認が必要) | 老舗の安定感。ゲーム専用テンプレートはないが、自由度が高い。中〜上級者向け |
| KAGOYA CLOUD VPS | 16GBプラン | 約5,000〜8,000円前後(確認が必要) | 日額課金に対応。法人利用にも強い。手動構築が前提 |
選び方のポイント
- 初心者には「Xserver for Game」「ConoHa for GAME」がおすすめ:Palworldのアプリイメージ(テンプレート)が用意されており、サーバー構築の大部分が自動化されています。Linux操作に不慣れな方でも比較的スムーズに立ち上げられます。
- コストを抑えたいなら時間課金のあるサービス:ConoHa for GAMEは時間課金に対応しているため、「週末だけ遊ぶ」といった使い方であれば月額を抑えられる場合があります。ただし、サーバーを削除せず保持している間は課金が続く点に注意してください。
- 自由にカスタマイズしたいなら汎用VPS:さくらのVPSやKAGOYAなどは、OSをまっさらな状態から自分で構築できるため、細かいチューニングやMOD導入の自由度が高くなります。ただし、相応のLinux知識が求められます。
筆者の見解では、初めてゲームサーバーを立てる方には、テンプレートが用意されている「Xserver for Game」または「ConoHa for GAME」のどちらかから始めるのが失敗しにくい選択です。両サービスとも国内にデータセンターがあり、日本からの接続遅延が小さい点も利点です。
VPSでPalworldサーバーを立てる手順(Linux手動構築の場合)
ここでは、汎用VPS(Ubuntu)にPalworld専用サーバーを手動で構築する一般的な手順を解説します。Xserver for GameやConoHa for GAMEのテンプレート機能を使う場合は、各サービスの公式ガイドに従えば以下の手順の多くを省略できます。
ステップ1:VPSを契約し、OSをインストールする
利用するVPSサービスでアカウントを作成し、サーバーを申し込みます。OSはUbuntu 22.04 LTSまたはUbuntu 24.04 LTSが情報量も多くおすすめです。
ステップ2:SSHでサーバーに接続する
ターミナル(Windows の場合はPowerShellやTera Termなど)からSSH接続します。
ssh root@[サーバーのIPアドレス]
セキュリティのため、rootログインの無効化やSSHポートの変更、公開鍵認証の設定を推奨します。
ステップ3:SteamCMDをインストールする
Palworldの専用サーバーはSteamCMD経由で配布されています。以下のコマンドでSteamCMDをインストールします。
# パッケージの更新
sudo apt update && sudo apt upgrade -y
# 必要なライブラリのインストール
sudo apt install -y software-properties-common lib32gcc-s1
# steamユーザーの作成(rootでの実行は非推奨)
sudo useradd -m -s /bin/bash steam
sudo passwd steam
sudo su - steam
# SteamCMDのダウンロードと展開
mkdir ~/steamcmd && cd ~/steamcmd
curl -sqL "https://steamcdn-a.akamaihd.net/client/installer/steamcmd_linux.tar.gz" | tar zxvf -
ステップ4:Palworld Dedicated Serverをインストールする
# SteamCMDを実行してPalworldサーバーをインストール
cd ~/steamcmd
./steamcmd.sh +login anonymous +app_update 2394010 validate +quit
※2394010はPalworld Dedicated ServerのSteam App IDです。
ステップ5:ファイアウォールの設定
Palworldサーバーが使用するポート(デフォルト:UDP 8211)を開放します。
sudo ufw allow 8211/udp
sudo ufw enable
VPSサービスの管理画面にもファイアウォール設定がある場合は、そちらも忘れずに開放してください。
ステップ6:サーバーを起動する
cd ~/Steam/steamapps/common/PalServer
./PalServer.sh -port=8211
※パスはSteamCMDのインストール先によって異なる場合があります。
SSH接続を切ってもサーバーを動かし続けるには、screenやtmuxを使うか、systemdのサービスとして登録するのがおすすめです。
# screenを使う場合の例
sudo apt install -y screen
screen -S palworld
./PalServer.sh -port=8211
# Ctrl+A → D でデタッチ(バックグラウンド化)
ステップ7:ゲームから接続する
Palworldを起動し、「マルチプレイに参加する(専用サーバー)」から、VPSのIPアドレスとポート番号(例:123.456.789.0:8211)を入力して接続します。
テンプレート機能を使う場合のメリット:Xserver for GameやConoHa for GAMEのPalworldテンプレートを利用すれば、上記のステップ3〜6が自動化され、管理画面のボタン操作だけでサーバーが起動します。コマンド操作に不安がある方はテンプレート対応のサービスを選ぶとよいでしょう。
サーバー設定のカスタマイズ方法
Palworldの専用サーバーでは、PalWorldSettings.iniを編集することでゲーム内のさまざまな設定を変更できます。
設定ファイルの場所
~/Steam/steamapps/common/PalServer/Pal/Saved/Config/LinuxServer/PalWorldSettings.ini
※初回起動後に生成されます。ファイルが存在しない場合は、同ディレクトリ内のDefaultPalWorldSettings.iniをコピーして使用してください。
よく変更される設定項目の例
| 設定項目 | 内容 | デフォルト値 |
|---|---|---|
| ServerName | サーバー名(サーバーリストに表示される名前) | Default Palworld Server |
| ServerPassword | サーバー接続時のパスワード | なし(空欄) |
| AdminPassword | 管理者コマンド用パスワード | なし(空欄) |
| ServerPlayerMaxNum | 最大同時接続数 | 32 |
| ExpRate | 経験値倍率 | 1.0 |
| PalCaptureRate | パル捕獲率 | 1.0 |
| DeathPenalty | 死亡時のペナルティ設定 | All(全ドロップ) |
| bEnableInvaderEnemy | 拠点襲撃イベントの有無 | True |
設定変更後はサーバーの再起動が必要です。仲間内で遊ぶ場合はServerPasswordを設定して、知らない人が入れないようにしておくことを強くおすすめします。AdminPasswordもデフォルトのまま(空欄)にしておくと、誰でも管理者コマンドを使える状態になるため、必ず設定してください。
運用時の注意点とデメリット
VPSでPalworldサーバーを運用するうえで、事前に知っておくべき注意点やデメリットを整理します。
月額費用が継続的にかかる
VPSは月額課金のサービスです。Palworldを遊ばなくなっても、解約し忘れると料金が発生し続けます。遊ぶ頻度が下がったらサーバーの削除や解約を忘れないようにしましょう。
アップデート対応が必要
Palworldは定期的にアップデートが入ります。サーバー側もゲーム本体のバージョンに合わせてアップデートしないと、クライアントとの接続ができなくなります。SteamCMDで以下のコマンドを再実行すればアップデートできます。
./steamcmd.sh +login anonymous +app_update 2394010 validate +quit
バックアップを定期的に取る
ワールドデータの破損や操作ミスに備えて、セーブデータの定期バックアップは必須です。cronで自動バックアップを設定しておくと安心です。
# cronでの自動バックアップ例(毎日午前4時に実行)
0 4 * * * tar czf ~/backup/palworld_$(date +\%Y\%m\%d).tar.gz ~/Steam/steamapps/common/PalServer/Pal/Saved/
古いバックアップが溜まるとストレージを圧迫するため、一定期間経過したファイルを自動削除する仕組みも合わせて用意しておくとよいでしょう。
メモリ不足によるクラッシュに注意
前述のとおり、Palworldはワールドの発展に伴いメモリ使用量が増加します。8GBプランで始めた場合、数十時間プレイした段階でメモリ不足によるクラッシュが発生する可能性があります。クラッシュが頻発する場合は上位プランへの変更を検討してください。
セキュリティ対策は最低限行う
ゲームサーバーとはいえ、インターネット上に公開するサーバーであることに変わりはありません。以下の対策は最低限実施してください。
- rootでの直接ログインを無効化する
- SSHポートをデフォルト(22)から変更する
- ファイアウォールで必要なポートのみ開放する
- OSやパッケージを定期的にアップデートする
- サーバーパスワード・管理者パスワードを必ず設定する
よくある質問(FAQ)
Q. VPSの契約は難しいですか?初心者でもできますか?
VPSの契約自体はネットショッピングとほぼ同じ手順で、特別な知識は不要です。Xserver for GameやConoHa for GAMEのようなゲーム特化サービスであれば、Palworld用のテンプレートが用意されているため、契約後にボタンを数回クリックするだけでサーバーを立ち上げられます。コマンド操作が不安な方は、まずこうしたテンプレート対応サービスから始めることをおすすめします。
Q. Palworldのサーバーを立てるのに8GBプランで足りますか?
少人数(1〜4人程度)で短時間のプレイであれば、8GBでも動作します。ただし、プレイ時間が長くなるとメモリ使用量が増加し、8GBでは不安定になるケースが多く報告されています。長期的に遊ぶ予定がある場合は、16GBプランを選んでおくのが安心です。
Q. サーバーを立てた後、友達はどうやって参加しますか?
Palworldのタイトル画面から「マルチプレイに参加する」を選び、画面下部の入力欄にVPSのIPアドレスとポート番号(例:203.0.113.10:8211)を入力して「接続」を押すだけです。サーバーパスワードを設定している場合は、パスワード入力画面が表示されるので、事前にパスワードを共有しておきましょう。
Q. MODは導入できますか?
VPSで立てた専用サーバーにもMODの導入は可能です。ただし、MODの種類によってはサーバーとクライアントの両方にインストールが必要な場合があります。また、MODはゲームのアップデートで動作しなくなることがあるため、アップデート前にバックアップを取ることを強くおすすめします。MODの導入はあくまで自己責任で行ってください。
Q. 遊ばなくなったらサーバーはどうすればいいですか?
VPSサービスの管理画面からサーバーを削除(解約)すれば、以降の料金は発生しません。ただし、サーバーを削除するとワールドデータも消えるため、後で再開する可能性がある場合はセーブデータをローカルにダウンロードしておきましょう。ConoHa for GAMEなどの時間課金サービスでは、一時的にサーバーを停止して課金を抑えることもできますが、サーバーを保持している間は一定の料金が発生する場合があるため、各サービスの課金ルールを確認してください。
まとめ
Palworldの専用サーバーをVPSで立てることで、24時間稼働・自由な設定・安定した接続環境を実現できます。本記事の要点を整理します。
- Palworldのマルチプレイを本格的に楽しむなら、VPSでの専用サーバー構築が最も安定した選択肢
- メモリは最低8GB、長期運用を見据えるなら16GB以上のプランを推奨
- 初心者にはPalworldテンプレートがある「Xserver for Game」「ConoHa for GAME」が構築しやすい
- 手動構築の場合はSteamCMDを使ってインストールし、ファイアウォールとサーバー設定を適切に行う
- 運用時はアップデート対応・バックアップ・セキュリティ対策を怠らないこと
- 遊ばなくなったら解約を忘れずに。不要な課金を避けるためにも定期的な見直しが大切
VPSの選択やサーバー構築には多少の手間がかかりますが、仲間と自由にカスタマイズした世界で遊べる体験はそれだけの価値があります。本記事が、あなたのサーバー選びと構築の参考になれば幸いです。

